親の希望条件などおかまいなしに、
自分の好みの相手をいつのまにか見つけて、
親に反対すらさせないものですね。
職場などを通じて結婚した親が、
自分自身の結婚を「恋愛結婚」だったと認識していると、
子供にも「恋愛結婚」を望む傾向があります。
しかし仕事を通じて出会う「職縁結婚」は、雇用のあり方から
「集団見合いシステム」でもあったといわれています。
「職縁結婚」は、恋愛結婚ではない、と私は断言します!
企業が結婚を勧め、出会えるようにしてくれていたのですが、
今の企業にそれを望むことは難しいでしょう。
「職縁結婚」をした親の多くは、実は
「お見合い向き」タイプの方が多いのです。
本能と情熱にしたがってお付き合いするよりも、
「互いの社会的地位や家庭環境がある程度わかった上で、
お付き合いは結婚前提の場合だけにする」
こういう考え方の男女が、お見合い向きなのです。
決して、コミュニケーション力が低いから、
容姿が劣るから結婚できない、などということではありません。
親が「お見合い向き」の人なら、
子供にもその考え方が引き継がれます。
未婚男女の希望する「理想の出会い方」を調査すると、
いまだにどのアンケートでも「職場や仕事を通じて」が、
1位です。
ただ平均初婚年齢(男30.5歳・女28.8歳:平成22年)を
超えてしまうと、数少なくなった職縁では
出会うことが難しくなります。
その昔、農村社会では、互いに顔見知りであっても、
家格の釣り合いを考慮し、わざわざ見合いの形式をとって
結婚に至ることも多かったようです。
けれど、一定年齢を超えてしまうと、やはり
ひと山、ふた山を越えて、他の村の人や、
職業(身分)が違ったりして釣り合わない相手とでも
見合いをして結婚していきました。
今、物理的に山を越えることは簡単ですが、
こんどは、相手に対する年齢・容姿・職業などの希望、
そして自然な出会いへのこだわりが見えない山となって
未婚男女の前に立ちふさがっています。
平均初婚年齢を過ぎて結婚相手候補のいない男女が
結婚できる方法は、見えない山を越え、
探す範囲をもっと広げる以外にないのです。
そのために、現代の仲人が存在しています。
日本仲人協会では、それぞれの仲人が、
他の仲人の預かる結婚希望者のためにまで、
ふさわしいお相手を日々さがしています。
今の世の中、そして今の子供たちの価値観ですから、
一度お見合いをしただけですぐには結婚が決まらないのは、
私ども仲人にとって歯がゆいことです。
しかしそのかわりに、「とにかく会う」ことだけは、
どんなにご本人にいやがられても、文字どおり
口をすっぱくして言い続けるようにしています。
これが、仲人である私と、私どもの仲間、
日本仲人協会に属する仲人全員の思いです。